
書類整理

企業は、退職した従業員のマイナンバーが記載された書類を、法律で定められた期間保管する義務があります。
この保管期間は関連する法律によって異なり、期間が過ぎた書類は速やかに廃棄しなければなりません。
本記事では、退職者のマイナンバーに関する書類の正しい保管期間や、安全な廃棄の方法について解説します。
マイナンバー法では、社会保障や税などの行政手続きに必要な場合に限り、マイナンバーの保管を認めています。
従業員の退職後も、会社は源泉徴収票の作成や社会保険の手続きなどでマイナンバーを扱うため、法令で定められた保存期間中は適切に保管する義務があります。
一方で、利用目的が達成され、法で定められた保存期間を過ぎたマイナンバーは、速やかに廃棄することも法律上の義務となっています。
マイナンバーそのものに保存期間の定めはありませんが、マイナンバーが記載されている書類には、それぞれの根拠法に基づいた保存年限が定められています。
税務、雇用保険、社会保険といった複数の手続きでマイナンバーを利用するため、関連書類ごとに保存期間が異なります。
実務上は、これらの期間で最も長い7年間に合わせて管理するのが一般的です。
これにより、書類の誤廃棄を防ぎ、管理を効率化できます。

所得税法では、「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」や「給与所得者の保険料控除申告書」、「源泉徴収簿」といった税務関連の書類について、その提出期限の属する年の翌年1月10日の翌日から7年間の保存を義務付けています。
これが、企業がマイナンバーを保管する期間が「原則7年」といわれる主な理由です。
雇用保険に関する書類の保管期間は、雇用保険法で定められています。
「雇用保険被保険者資格取得等確認通知書」や「離職証明書(事業主控)」といった書類は、従業員が退職または死亡した日の翌日から起算して4年間の保存が義務付けられています。
税務関連書類とは保存期間が異なるため、混同しないように注意が必要です。
健康保険法および厚生年金保険法では、「健康保険・厚生年金保険被保険者資格取得届」や「被扶養者(異動)届」などの社会保険関連書類は、その完結の日から2年間の保持が定められています。
完結の日とは、従業員の退職や死亡など、手続きが完了した日を指します。
他の書類に比べて保存期間が短いのが特徴です。
マイナンバーが記載された書類の保存期間は、税務関係書類が7年と定められているなど、法定保存期間が書類の種類によって異なります。
書類ごとに廃棄時期を管理することは煩雑であり、誤って廃棄してしまうリスクも高まります。
そのため、実務上の要件として、最も長い保存期間である7年に統一して管理することが、安全かつ効率的な方法と考えられます。
これにより、法令違反のリスクを低減できます。

法律で定められた保存期間を経過したマイナンバーは、速やかに廃棄することが義務付けられています。
情報漏洩を防ぐため、廃棄の際はマイナンバーを復元できない状態にすることが極めて重要です。
廃棄方法は、書類が紙媒体か電子データかによって異なるため、それぞれの形式に適した手段を選択する必要があります。
マイナンバーが記載された書類や、本人確認時に取得した免許証の写しなどは、復元が困難な方法で廃棄します。
具体的には、読み取りが不可能なレベルまで細かく裁断できるシュレッダーにかけるか、専門業者に依頼して焼却・溶解処理を行う方法が一般的です。
自社でシュレッダー処理を行う場合は、裁断サイズに注意が必要です。

パソコンやサーバーに保存されているマイナンバーの電子データは、単にゴミ箱を空にするだけでは完全に削除されません。
復元ツールで読み出されるリスクをなくすため、データ削除専用のソフトウェアを利用するか、ハードディスクを物理的に破壊する方法が有効です。
また、いつ誰が削除したかの作業ログを残しておくことも、安全管理の観点から推奨されます。
書類や電子データの廃棄を外部業者に委託する場合、事業者には委託先を監督する責任が生じます。
信頼できる業者を選定し、契約書には秘密保持義務や具体的な廃棄方法などを明記しましょう。
作業完了後には、いつ、どの書類を、どのように廃棄したかを証明する「廃棄証明書」を発行してもらい、適切に処理されたことを確認・記録として保管します。

マイナンバーの保管および廃棄は、番号法に基づいて厳格なルールが定められています。
不適切な取り扱いは情報漏洩のリスクを高めるだけでなく、罰則の対象となる可能性もあります。
安全管理を徹底するために、以下の4つの注意点を確実に押さえておく必要があります。
マイナンバーの収集時における本人確認のために取得した運転免許証などの身分証明書のコピーは、個人情報保護法および特定個人情報保護法に基づき適切に取り扱う必要があります。マイナンバーカードのコピーについては、その取り扱いが制限される場合がありますので注意が必要です。これらの本人確認書類のコピーは、本人確認の記録として保管することが可能ですが、法令上の保管義務はありません。不要になった場合は、速やかに復元不可能な方法で廃棄することが推奨されます。
マイナンバーを含む書類やデータを廃棄した際は、その記録を作成し、保管することが強く推奨されます。
廃棄記録には、「廃棄した書類の名称」「廃棄年月日」「担当部署・担当者名」「廃棄方法」などを具体的に記載します。
この記録は、企業が適切にマイナンバーを管理・廃棄したことの証明となり、内部統制の強化にもつながります。
退職した従業員本人から「自分のマイナンバーをすぐに削除してほしい」と要求された場合でも、法律で定められた法定保存期間が満了するまでは、企業は保管義務を負っているため、その要求に応じることはできません。
この場合、法律上の義務であることを本人に丁寧に説明し、理解を求める必要があります。
従業員から提出される扶養控除等申告書には、配偶者や子などの扶養家族のマイナンバーも記載されています。
これらの情報も従業員本人と同様の特定個人情報として扱われるため、同じ法定保存期間に従って適切に保管・保持しなくてはなりません。
期間満了後は、従業員本人の情報と共に確実に廃棄します。
企業が法令に基づきマイナンバー情報を管理する「保存期間」と、個人が所有するマイナンバーカード自体の「有効期限」は全くの別物です。
カードの有効期限は、20歳以上の場合は発行から10回目の誕生日まで、電子証明書は5回目の誕生日までと定められています。
この有効期限は、事業者が書類を保管する期間とは一切関係がないため、混同しないように注意が必要です。
ここでは、マイナンバーの保存期間について、会社の担当者が疑問に思いやすい点をQ&A形式で解説します。
実務上の判断に迷った際の参考にしてください。
はい、保管が必要です。
扶養控除等申告書に記載された扶養家族のマイナンバーも特定個人情報にあたります。
そのため、従業員本人の番号と同様に、税法で定められた7年間の法定保存期間中は適切に保管し、期間満了後に廃棄しなければなりません。
マイナンバーの提出は法令上の義務であることを伝え、退職者へ再度提出を依頼します。
それでも提出されない場合、会社は提出を求めた経緯を記録として残しましょう。
行政機関への書類提出時は、マイナンバー欄を空欄で提出し、提出先の機関の指示に従って対応します。
誤廃棄に対して直ちに罰則が科されるわけではありませんが、税務調査などで書類の保管義務違反を指摘される可能性があります。
マイナンバー法では不適切な管理に対して罰則が定められているため、誤廃棄が起きないよう、社内の管理体制を整備することが重要です。
企業が退職者のマイナンバーを保管する期間は、税務や社会保険などの関連法令によって定められています。
実務上は、書類ごとに異なる保存期間のうち最も長い7年間に合わせて管理し、期間満了後は速やかに廃棄するのが一般的です。
法令を遵守し、復元不可能な方法で確実に廃棄することが、企業のコンプライアンスとリスク管理において不可欠です。
※本記事の情報は2026年7月時点のものです。法改正や解釈の変更等により、内容が最新と異なる場合があります。掲載内容の利用によって生じたトラブルや損害について、当社は一切の責任を負いかねますので、あらかじめご了承ください。
機密情報をはじめとする重要書類の保管・管理・廃棄まで、澁澤倉庫グループの文書保管サービス「tribox」が一括サポートします。100年以上の実績に裏打ちされた保管品質と、お客様の業務フローに合わせた柔軟な対応力で、多くの企業の文書管理課題を解決してきました。
「今の保管体制で本当に大丈夫か確認したい」「外部委託のコストを試算してみたい」という段階からでも、お気軽にご相談ください。

この記事の著者
澁澤倉庫のtribox 営業担当者
澁澤倉庫入社11年目。文書業務担当2年目。文書管理について1から勉強するうえで、役に立つ情報を発信中!
文書保管サービス
tribox