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タイムスタンプとは?電子帳簿保存法での仕組みや付与方法、サービスを解説

タイムスタンプとは?電子帳簿保存法での仕組みや付与方法、サービスを解説

タイムスタンプとは、電子データがある時刻に存在し、それ以降改ざんされていないことを証明する技術です。

特に2024年以降本格化した電子帳簿保存法への対応において、書類の信頼性を担保する仕組みとして重要な役割を担います。

この記事では、タイムスタンプの基本的な意味や仕組み、電子署名との違いから、電子帳簿保存法における要件、具体的な付与方法、おすすめのサービスまでを解説します。


タイムスタンプとは?まずは基本的な意味を理解しよう

タイムスタンプの基本的な意味は、電子データに対して、ある時刻にそのデータが存在していたこと(存在証明)と、その時刻以降にデータが変更されていないこと(非改ざん証明)を証明する技術的な仕組みです。

この役割により、電子文書の信頼性を確保することが主な目的となります。

紙の書類における確定日付印のように、電子データに時刻情報を付与し、その時点での内容を確定させる役割を果たします。


電子文書の「存在」と「非改ざん」を証明する技術

タイムスタンプは、「存在証明」と「非改ざん証明」という2つの重要な機能によって電子文書の信頼性を保証します。

存在証明とは、タイムスタンプが付与された時刻に、その文書が確かに存在していたことを示すものです。

一方、非改ざん証明は、タイムスタンプが付与された時刻以降、文書の内容に一切の変更が加えられていないことを証明します。


これにより、電子文書がいつ作成され、その後手が加えられていないかを客観的に示す証明書のような役割を果たします。


電子署名とは何が違うのか?役割の違いを比較

タイムスタンプと電子署名は、どちらも電子文書の信頼性を高める技術ですが、その役割が異なります。

電子署名は「誰が」その文書を作成したか、つまり作成者本人であることを証明する技術で、紙の書類における「押印」や「署名」に相当します。

一方、タイムスタンプは「いつ」その文書が存在し、改ざんされていないかを証明するもので、「確定日付」に近い役割です。


両者を比較すると、電子署名が作成者の証明、タイムスタンプが時刻と内容の完全性の証明と、それぞれ異なる側面から文書の正当性を担保します。


タイムスタンプの仕組みを図解でわかりやすく解説

タイムスタンプの仕組みは、主に「ハッシュ値」という技術と、「時刻認証局(TSA)」という第三者機関によって成り立っています。

まず、利用者が電子データのハッシュ値(データを要約した値)をTSAに送付します。

TSAはそのハッシュ値に正確な日付・時刻情報を結合し、「タイムスタンプトークン」というデータを生成して返却します。


この一連の機械的な処理により、ITの専門知識がなくても、電子文書の信頼性を保証できる仕組みが実現されています。


ハッシュ値を利用してデータの完全性を担保する

タイムスタンプの仕組みにおいて、データの完全性を担保するのがハッシュ値です。

ハッシュ値とは、元の電子データから「ハッシュ関数」という計算方法によって生成される、一見不規則な固定長の文字列です。


元のデータが1文字でも異なると、計算結果であるハッシュ値は全く異なる値に変わるという特性があります。

この特性を利用し、タイムスタンプ付与時のハッシュ値と、検証時のハッシュ値を比較することで、データが改ざんされていないかを正確に検知できます。


時刻認証局(TSA)が時刻の正確性を保証する

時刻認証局は、タイムスタンプの信頼性の根幹をなす、時刻情報の正確性を保証する第三者機関です。

利用者の要求に応じて、対象データのハッシュ値と信頼できる時刻情報を結合したタイムスタンプトークンを発行します。


TSAは、日本標準時やGPSなどの正確な時刻源と同期しており、その信頼性は国の法律に基づいて総務省が認定する制度によって担保されています。

この認定を受けた認証局を利用することで、法的に有効なタイムスタンプが付与されます。


タイムスタンプ発行から検証までの3ステップ

タイムスタンプの発行から検証までは、以下の3つのステップで実行されます。

要求:利用者は、タイムスタンプを付与したい電子データのハッシュ値を計算し、時刻認証局(TSA)へ送信します。


発行:TSAは、受け取ったハッシュ値と自局が持つ正確な時刻情報を結合し、電子署名を付与して「タイムスタンプトークン」を発行。これを利用者へ返送します。

検証:文書の信頼性を確認する際は、保管している文書から再度ハッシュ値を計算し、タイムスタンプトークン内のハッシュ値と比較します。両者が一致すれば、文書が改ざんされていないことをチェックできます。


【2024年最新】電子帳簿保存法におけるタイムスタンプの重要性

2024年から義務化された電子帳簿保存法(電帳法)において、タイムスタンプは電子取引データの「真実性の確保」を満たすための重要な要件の一つです。

請求書や領収書などを電子データで保存する際、そのデータが作成された時点から改ざんされていないことを証明するために利用されます。

適切にタイムスタンプを付与することで、法令遵守はもちろん、ペーパーレス化による経費削減や業務効率化といったメリットにも繋がります。


なぜ電子帳簿保存法でタイムスタンプが求められるのか?

電子帳簿保存法でタイムスタンプが求められる理由は、電子データで保存される国税関係書類の「真実性」を確保するためです。

紙の書類と異なり、電子データは簡単に複製や修正ができてしまうため、取引の記録として信頼できる状態であることを客観的に証明するルールが必要です。


そのための要件の一つとして、タイムスタンプによって「ある時点でデータが存在したこと」と「それ以降改ざんされていないこと」を証明する仕組みが採用されています。

これが、法令遵守の対象となる企業や個人事業主に求められる理由です。


タイムスタンプの付与が必要になる具体的な書類

電子帳簿保存法においてタイムスタンプの付与が関連するのは、主に「スキャナ保存」と「電子取引」で扱う書類です。

具体的には、請求書、領収書、契約書、注文書、納品書、見積書といった、企業間の取引で発行・受領される多くの国税関係書類が対象となります。

これらの書類を紙で受け取ってスキャンした場合や、PDFなどのファイル形式で電子的に受け取った場合に、そのデータの真実性を担保するためにタイムスタンプが必要になります。


改正で緩和されたタイムスタンプの付与要件とは?

電子帳簿保存法の改正により、タイムスタンプの付与要件は緩和されています。

特にスキャナ保存において、以前は書類の受領者がスキャンする際に自署する必要がありましたが、この要件は廃止されました。

また、タイムスタンプを付与するまでの期間も、これまでの「受領後概ね3営業日以内」から、最長で「業務の処理に係る通常の期間を経過した後、速やかに(最長2か月と概ね7営業日以内)」へと大幅に延長され、実務上の負担が軽減されています。


タイムスタンプの付与が不要になるケースはある?代替措置を解説

電子帳簿保存法では、必ずしもタイムスタンプの付与が必須というわけではありません。

データの真実性を確保できる他の措置を講じている場合は、タイムスタンプが不要になるケースがあります。


具体的には、訂正や削除の履歴が残る、あるいは訂正削除ができないシステムを利用している場合などが代替措置として認められており、これらの要件を満たすことでタイムスタンプの付与を省略できます。


訂正・削除の履歴が残るシステムを利用する場合

タイムスタンプの代替措置として、電子データの訂正・削除の履歴が残るシステム、または訂正・削除ができないシステムを利用する方法があります。

このようなシステムでは、データの更新や削除を行った場合に、いつ、誰が、どのような変更を加えたかのログが自動で記録されます。

この記録によって、後から不正な改ざんが行われていないかを追跡・確認できるため、タイムスタンプと同様にデータの真実性が担保されていると見なされ、付与が不要になります。


データの授受から保存までを特定のクラウドサービスで行う場合

取引先とのデータの授受から保存までを一貫して特定のクラウドサービス上で行い、そのサービスが訂正・削除の履歴を残す、または訂正・削除ができない仕組みを提供している場合も、タイムスタンプの付与は不要です。

例えば、クラウド上で請求書を発行・受領し、そのまま保管するサービスがこれに該当します。

ただし、単にメールで受け取ったPDFをGoogleDriveなどのオンラインストレージへ手動で保存するだけではこの要件を満たさないため注意が必要です。


タイムスタンプを電子文書に付与する3つの方法

タイムスタンプを電子文書に付与する方法は、主に3つあります。

それぞれのやり方は、手軽さやコスト、業務への組み込み方が異なります。

自社の状況やタイムスタンプを付与したい書類の量に応じて、最適な方法を選択することが重要です。


具体的な操作や導入手順を理解し、適切なタイムスタンプの付与方法を検討しましょう。


【手軽な方法】PDFソフト(Acrobat Readerなど)で付与する

比較的手軽にタイムスタンプを付与する方法として、Adobe Acrobat Reader DC(無料)やAcrobat Pro DC(有料)などのPDFソフトを利用するやり方があります。

これらのソフトには、時刻認証局(TSA)と連携してPDFファイルにタイムスタンプを付与する機能が備わっています。

操作は手動で行う必要があり、大量の書類を処理するには向きませんが、少数のファイルに付与する場合や、特定のフォルダ内の文書にのみ対応したい場合に適しています。


【業務効率化】電子帳簿保存法対応のシステムを導入する

業務効率化を図るなら、電子帳簿保存法に対応したシステムの導入がおすすめです。

経費精算システム、会計システム、文書管理システムなどの多くは、請求書や領収書をアップロードまたは受領した際に、タイムスタンプを自動で付与する機能を備えています。

この方法なら、手動での付与操作が不要になり、法令要件を満たしながら業務プロセス全体の効率化が可能です。


多くのメーカーが多様なソリューションを提供しています。


【専門サービス】タイムスタンプ発行サービス(時刻認証業務認定事業者)を利用する

自社で開発したシステムにタイムスタンプ機能を組み込みたい場合や、特定の要件に合わせて柔軟に利用したい場合は、専門のタイムスタンプ発行サービスを利用する方法があります。

これらは、総務大臣の認定を受けた時刻認証業務認定事業者が提供しています。

API連携などを通を通じて、既存の業務システムにタイムスタンプ機能を後付けすることが可能で、高度なカスタマイズに対応できます。


YouTubeで使われるタイムスタンプ(チャプター機能)の設定方法

ビジネス文書の文脈とは異なり、YouTubeで「タイムスタンプ」という言葉が使われる場合、それは動画の目次(チャプター)機能を指します。

動画の概要欄やコメント欄に特定の形式で時間を入力すると、その時間が自動的に青いリンクとなり、クリックすると動画の指定した再生時間にジャンプできる機能です。

この設定を行うことで、視聴者は見たい部分を簡単に見つけられるようになり、利便性が向上します。


例えば「1:30ハイライト」のように記載します。


動画の概要欄に半角で「時間+半角スペース+項目名」を記載する

YouTubeでタイムスタンプ(チャプター)を設定する具体的なやり方は、動画の概要欄に時間を書き込むだけです。

一行に一つずつ、再生時間を「分:秒」または「時:分:秒」の形式で半角で入力し、続けて半角スペースを空けてからチャプターのタイトル(項目名)を記載します。


例えば、「0:00オープニング」や「2:15製品紹介」のように、見たいシーンが始まる時間をラインごとに記述していくことで、自動的にリンクが生成されます。


自動でチャプターが生成されるための条件

YouTubeでタイムスタンプを記載しても自動でチャプターが生成されない場合、いくつかのルールを満たしているか確認が必要です。

まず、最初のタイムスタンプは必ず「0:00」から始める必要があります。

次に、チャプターとして認識させるためには、タイムスタンプを最低でも3つ以上、昇順でリストアップしなければなりません。


また、各チャプターの長さは10秒以上であることも条件の一つです。

これらのルールを守ることで、チャプター機能が有効になります。


タイムスタンプに関するよくある質問

タイムスタンプについて調べていると、費用や有効期限など、さまざまな疑問が出てきます。

特に電子帳簿保存法への対応を検索する中で、具体的な運用に関する不明点を解消したいケースは少なくありません。


ここでは、タイムスタンプに関してよくある質問と、それに対する回答をまとめました。

付与ができない場合の参考にしてください。


タイムスタンプの付与には費用がかかりますか?

利用する方法によって異なります。

PDFソフトの機能で手動付与する場合は、ソフトが有料でもタイムスタンプ自体に追加料金はかからないことがほとんどです。


一方、電子帳簿保存法対応システムや専門の発行サービスを利用する場合、システムの月額利用料やタイムスタンプの発行数に応じた従量課金などの費用が発生するのが一般的です。


タイムスタンプには有効期限がありますか?

はい、あります。

タイムスタンプの有効期限は、一般的に10年です。

これは、タイムスタンプの信頼性を担保する暗号技術が、将来的に解読されるリスク(危殆化)に備えるためです。


電子帳簿保存法などで10年を超える長期保存が必要な書類には、有効期限が切れる前にタイムスタンプを延長する「アーカイブタイムスタンプ」という措置が必要です。


タイムスタンプを付与する期限はいつまでですか?

電子帳簿保存法のスキャナ保存における付与期限は、書類を受領してから「速やかに(概ね7営業日以内)」が原則です。

ただし、事務処理規程を定めている場合は、業務サイクルに応じた付与が認められており、その場合は最長で「書類の受領後2か月と概ね7営業日以内」まで期限が延長されます。


まとめ

タイムスタンプは、電子データがある時刻に存在し、それ以降改ざんされていないことを証明する重要な技術です。

電子帳簿保存法においては、書類の真実性を確保するための要件として中心的な役割を果たします。

その仕組みはハッシュ値と時刻認証局によって支えられており、PDFソフトや専用システムを通じて付与することができます。


また、システムの導入など代替要件を満たすことで付与が不要になるケースもあります。

一方で、YouTubeでは動画の目次機能として使われるなど、文脈によって意味が異なるため注意が必要です。

自社の状況に合わせて適切な付与方法やシステムを選択し、法改正に対応することが求められます。


※本記事の情報は2026年5月時点のものです。法改正や解釈の変更等により、内容が最新と異なる場合があります。掲載内容の利用によって生じたトラブルや損害について、当社は一切の責任を負いかねますので、あらかじめご了承ください。

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この記事の著者

澁澤倉庫のtribox 営業担当者

澁澤倉庫入社11年目。文書業務担当2年目。文書管理について1から勉強するうえで、役に立つ情報を発信中!

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